狡兎がんばれ!労働者弁護へのエール

3月になって、労働者側の新件を受任し、バタバタしております。

今日は、狡兎がんばれ!ということで、労働者弁護へのエールを送りたいと思います。

労働法実務市場は、潜在的労務リスクの大きさに比べて、とても小さなものにとどまっていると感じます。

その原因としては様々なことが考えられますが、労働者弁護の課題としては、結果として、潜在的労務リスクを十分に顕在化できていない例が多いと思います。

そのため、使用者側の労務リスクに対する認識が不十分なものになりがちで、その結果、使用者側代理人の弁護士報酬も、潜在的労務リスクの大きさに比べて、低額にとどまっていると感じます。

これからの労働者弁護は、労働法実務の知識・経験を駆使して、潜在的労務リスクをきっちり顕在化することが重要です(これを実践すると、東京地裁労働専門部の裁判官に、「論点多いですね。」と言われます。)。

もちろん、労働弁護団の活躍により多くの裁判例が形成され(宮里邦雄先生や棗一郎先生は人格者でとても尊敬出来ます。)、また、新興系の法律事務所により労働者弁護案件の掘り起こしがなされているのも事実です。

しかし、潜在的労務リスクをきっちり顕在化できているかという点は、改めて考えてみる必要があるのではと思います。

私が労働者弁護をするときは、たとえ手間はかかっても、潜在的労務リスクをきっちり顕在化していきたいと思います(もちろん事案によっては、スピード解決を重視する場合もありますが。)。

「狡兎死して走狗煮らる」といいます。「走狗」が正当な弁護士報酬を得られるためにも、「狡兎」にはがんばって欲しいですし、自分が狡兎の時は、使用者に煙たがられる存在でありたいです。